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女郎蜘蛛の恩返し

最近楽しみが一個増えた

毎朝川沿いに水汲みに行くのだけど その際に川に降りる為の階段のわきにおおきな蜘蛛の巣が張っていることに気づいた

夜露が降りた際などは水滴が巣の形に付着していてよく見えるようになる

まるでダイヤモンドをちりばめたネックレスのようだ

その中央にドーンと居座る 黄色と黒の縞々の足の蜘蛛

日本ではおなじみの種類であるジョロウグモだ

私は虫が苦手ではない むしろけっこう好きである

ちかくでよくみるとかっこかわいいフォルムと顔をしておる

朝の水汲みの際に背中を指でナデナデするのが日課に加わった

けっこう大人しくてされるがままにナデられている

たまに風が吹いて巣が揺れた際に強くナデてしまうとモゾモゾ逃げることもあるがとくに噛まれるような気配もない

一応 エサを麻痺させるための弱い毒をもっているらしいが人間にはほぼ影響はないらしい

最近は落葉が進み 落ち葉爆撃のせいか 巣の至る所が穴だらけだ

それほど補修する性格でもないのか 常に穴だらけだ

この前なぞ 中央に陣取るすぐ近くに大きな枯れ葉が掛っていて邪魔そうだしこれでは他の虫にも巣を見破られ効率が悪そうだろうなぁ思ったので取り除いてあげたら 余計に穴が空いてしまいから8割ほど損傷していた巣が9割にまで達してしまってこれではもやは蜘蛛の巣とは呼べないほどのただの絡まった糸電話のようになっていた

残り少ない巣をみても獲物がかかったような気配もない

そこで私は小屋に戻り 室内をわが物顔で闊歩しているカマドウマの小型の物を捕まえた

小屋の中には沢山のカマドウマがいる

こいつらは見た目がキモいだけでススメ蜂や蚊のように実被害がないので私としては別に部屋の片隅にいようがお構い無しだ

山奥で暮らしている以上 そんなものを一々気にしていられない

山小屋で暮らすということはそういうことだ

最初はめっさデカイ カマドウマを捕まえて巣にひっかけたんだけどあまりに肥えていすぎて糸を引きちぎって落ちてしまった

蜘蛛の5倍ぐらいありそうな奴だった さすがにそんな重いのはダメだったようなので小型のクモと同サイズのやつを捕まえて巣に掛けた

クモがいる2cmぐらいのすぐわきに

女郎蜘蛛はあまり目がよくないらしく 普段は獲物が掛ったら巣を自分で揺らしてその振動によって場所を探知するらしい

しかし今回は近かったこともあり視覚で捕捉したらしく すぐに食らいついてきた

よっぽどお腹がへっていたのか 其の場でグルグルに巻くこともなく 本来は中央に運んでから蒔いて釣るすようなのだがその場でチューチューしはじめた

私はその場で15分ぐらいずっと観察していたのだけど チューチューしているだけで動きがないのでその場を後にした

その後も何かの用事で巣の側を通った時にみてみると相変わらずずっとチューチューしている

変わった点といえば 獲物がしぼんできているぐらいだったろうか

次の日の朝には すっかりエサはミイラみたいになっており見た目にもわかるぐらいクモのお腹が膨らんでいてプックリしていた

まぁ自分と同サイズのエサを食べたのだから当然なのかもしれんが心なし喜んでいるようにみえた

背中を撫でてやると 逃げはしないがモジモジと手足をしきりに動かしていた

カマドウマを与える前は微動だにしなかったのは お腹がへっていてエネルギーの消耗を防ぐためにもじっとしていたのかもしれない

さらに次の日の朝にまた水汲みの際様子をみてみると ほころびだらけでボロボロだった巣をセッセと修復している姿が見れた

お腹いっぱいになって巣を直すだけの元気が戻ったのだろうと思い ほっこりした

このように蜘蛛は いがいと可愛い生き物なのである

まぁそれは私に危害を与えないからという前提があるわけなのだが

私と同じようなサイズの蜘蛛が目の前にいたらものすごい恐怖であるだろうとは思う

あいつら根っからの捕食者だからなぁ

ちなみにだが カマドウマはまったく可愛いとは思わない

私の中では 飼育しないでもかってに増える エサという位置づけだ

鶏を飼っていたころはよく捕まえて与えたものだ

この記事が投稿されているころにはもう蜘蛛も生きていないかもしれない

10~11月頃に卵を産んだら死んでしまうらしいので

ちなみに タイトルのようになにか恩返し的なものがあったわけではない

ただの個人的えこひいきで 野良ネコにエサをやるように蜘蛛にもエサを与えて愛でていただけのことである

人間はどうやら虫が苦手な人が多いようである

田舎暮らしのデメリットとしても上位にランキングされているのをよく見る

私はまったく平気だ なので山暮らしも快適なのである

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